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小児科相談
アデノウィルス(1)   2017/8/10 10:44
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 徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)

 初夏から発熱を主な症状とする感染症が多く発生します。これは夏かぜと呼ばれ、その原因の多くはウィルス感染症です。夏かぜの代表的な疾患がプール熱とヘルパンギーナです。今月はプール熱の原因ウィルスであるアデノウィルスについて考えてみました。

 プール熱は咽頭結膜熱と呼ばれ、発熱、咽頭炎、結膜炎の3つを主症状とするアデノウィルス感染症です。咽頭痛、眼球結膜の充血の他、咳や鼻水、頭痛、眼痛、食欲不振、嘔吐、下痢、腹痛を伴うこともあります。プールで感染することがあり、プール熱と呼ばれます。咽頭結膜熱の他に流行性角結膜炎を起こすのもアデノウィルスの原因であり、眼科での接触による院内感染が問題になります。

 呼吸器感染症としては急性咽頭扁桃炎があります。口蓋扁桃の表面に滲出物を伴う急性扁桃炎の形を取ることが多く、高熱が数日間持続します。ウィルス感染ですから抗菌剤は無効です。さらにアデノウィルス感染症の中には重症の肺炎を起こすものもあります。

 感染性胃腸炎の中にもアデノウィルスが原因となるものがあります。嘔吐、下痢、発熱などを来しますが、乳幼児の感染性胃腸炎の中では比較的軽症に経過します。

 アデノウィルスには多くの血清型があり、様々な疾患が発生します。乳幼児では眼科疾患や呼吸器疾患が多く、成人では出血性膀胱炎や尿道炎など泌尿器系感染症が見られます。

 アデノウィルスは感染力が強く、集団発生や院内感染することがあり問題になります。予防には手洗いなどの標準的感染予防策を徹底して行うことが大切です。