徳島新聞Web

6月28日(水曜日)
2 2
28日(水)
29日(木)
小児科相談
麻疹(2)   2017/6/22 10:43
このエントリーをはてなブックマークに追加

 徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)

 麻疹は重篤な疾患です。初期の症状は発熱、咳、鼻水、結膜充血、目やにで、かぜ症状と区別がつきません。3~4日後に耳後部から頸部に淡紅色の発疹が出現して全身に広がります。熱は一時的に低下しますが、再び高熱になります。初め発疹は淡紅色で、次第に濃紅色に、後に暗紅色になり色素沈着を残します。発疹出現直前に口腔頬粘膜にコプリック斑が出現して麻疹診断の助けになります。

 麻疹の潜伏期間は10~12日と比較的長く、感染力は非常に強く空気感染します。麻疹ウィルスに有効な治療薬はありません。

 麻疹では高熱の持続や激しい咳のために食欲が低下し、体力の低下や脱水症のために入院が必要となることがあります。また麻疹では抵抗力が低下しますから肺炎や中耳炎の合併が多くなります。まれに脳炎の発生もあります。いずれにしても子どもも大人も麻疹に罹って良いことは一つもありません。

 最近、ワクチンの普及によって麻疹が減少していますから麻疹の怖さを知らない人が増えています。麻疹を見たことがない医者も増えています。これまで麻疹は子どもの病気と考えられていましたが、発病の多くが若年成人であり認識を改める必要があります。

 多くの子ども達は麻疹ワクチンを受けていますから、麻疹に接触しても発病せずに済むか、発病しても軽症に終わります。免疫のない成人や1歳前でワクチン未接種の乳児では麻疹発病の危険性が高くなります。海外旅行帰りや外国人と接触の多い職場では麻疹感染の危険性があります。子育て中の成人の麻疹罹患は子どもに感染させる危険性が高くなりますから注意が必要です。