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小児科相談
日本脳炎(2)   2017/4/27 14:19
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 脳炎と脳症はよく似た症状を示します。高熱やけいれん、意識障害に異常行動などの症状だけでは区別することは難しいものです。

 脳炎は感染にともなう脳実質の炎症であり、脳症は炎症がなく脳浮腫に伴う症状です。髄液検査やCT、MRI検査などの詳しい検査をしなければ区別することは出来ません。

 インフルエンザに罹った時に高熱に伴って急激に意識障害に陥った場合は急性脳症の発生が疑われます。これに対して日本脳炎の場合にはウィルスが直接脳実質に感染して炎症を起こす急性脳炎です。

 日本脳炎ウィルスは中枢神経系の神経細胞に直接感染します。とくに脳深部の基底核の病変が特徴ですが脳全体、脳幹部、脊髄などにも広く炎症が及び、脳浮腫も発生します。

 従って脳炎が発病すると急激な高熱、頭痛、悪寒、食欲不振、悪心、嘔吐、めまい、傾眠などの症状が現れ2~4日持続します。その後に髄膜刺激症状が出現し、味覚異常や意識障害、けいれんへと進行します。また無気力顔貌、筋強直、不随意運動、振戦、麻痺など多くの神経症状が出現します。

 日本脳炎が疑われた場合には、日本脳炎に特別に有効な薬剤はありませんから速やかに救命目的の集中的な全身管理を行います。

 致死的な場合は5日以内に死亡すると言われます。1週間以上経過すると治癒過程に入ったと考えます。日本脳炎は治癒後の後遺症として運動麻痺、知的退行、てんかん、高次脳機能障害などが見られます。回復期に入ればリハビリテーションや教育が大切です。