小松島市金磯町の企業団地で操業する県鉄鋼協同組合の加盟17社の従業員有志が月1回、南海トラフ巨大地震に備え、周辺の津波避難路を巡るウオーキングを3年半近く続けている。防災意識を高めるとともに、企業間のコミュニケーションを深める機会にもなっている。
「率先避難ウオーキング愛好会」を2012年11月に結成。毎月第2金曜の午前7時から、金磯南ポンプ場や赤石山にある住吉神社参道、国道55号の赤石トンネル上など、避難場所や経路を確かめながら3~4キロ歩く。日によってコースを変えており、1回平均11人が参加している。
団地は金磯港の近くにあり、市の津波ハザードマップでは3~4メートルの浸水が想定されているが、避難できる場所が少ない。組合は年に1回、訓練を行うなど防災に力を入れており、素早い行動につなげるため有志が愛好会をつくった。
定期的な開催で、市外から通う従業員も周辺の地理に詳しくなってきた。建設や建設資材、機械など幅広い業種の企業から参加しており、顔を合わせる機会が少なかった異業種間の交流にもつながっているという。
愛好会の佐野誠会長(71)=紙加工業=は「顔を合わせているといざというときに役立つ。今のペースで長く続けていきたい」と話した。