63年ぶりに大規模改修された八面神社農村舞台=那賀町西納

 現存する県内の農村舞台では最大級とされる那賀町西納の八面(やつら)神社農村舞台が、63年ぶりに大規模改修された。柱や屋根の老朽化が進んでいたため、氏子が寄付金を募って工事を行った。5月1日にこけら落としの人形浄瑠璃公演を開き、63年ぶりにちなみ6300個の餅投げをして完成を祝う。

 舞台は明治初期の建築とみられ、1953年に増築。間口15メートル、奥行き9メートルのサイズがあり、内部にもミニ舞台(縦3メートル、横6メートル)が設置されている。中2階には映写室があり、昭和30年代には映画館としても利用された。

 これまで破損箇所を修繕しながら維持してきたが、近年は柱の腐食や屋根瓦の傷みが目立ち、氏子が昨年秋に改修を決めた。3月上旬から工事を始め、約30本の柱の半数を新しくしたほか、壁と床を全て張り替えた。屋根は重さ27トンあった瓦ぶきから5トンのガルバリウム鋼板にし、柱への負担を少なくした。

 改修費用は約500万円。町や町内の農村舞台保存会などでつくる町農村舞台再生協議会が60万円を助成したほかは、氏子が寄付を集めて確保した。地元の平井製材所が約120万円分の木材を提供し、氏子らも連日改修作業を手伝った。

 八面神社農村舞台では、昭和初期ごろまで行われていた人形浄瑠璃公演を、住民が2010年に復活させた。以来、毎年春に地元の丹生谷清流座などが公演を行っており、12年からは小松島市出身の音楽家住友紀人さんらによる音楽イベントも秋に開いている。

 神社は町内外に呼び掛け、舞台をイベントなどに幅広く利用してもらう考え。

 神社総代の森廣志さん(60)は「今は年2回の利用だけだが、改修を機に、いろんな団体に活用してもらい、地域活性化につなげたい」と話している。