牛小屋を改修したオフィスで働くサンサンの社員=神山町神領

 神山町にサテライトオフィス(SO)を置く名刺管理サービスの「Sansan(サンサン)」(東京)が牛小屋を改修したユニークなオフィスを使っている。築70年超の古民家と離れの2棟に入居するSOの「神山ラボ」が手狭になったため、物置になっていた牛小屋に着目した。

 「神山ラボ」と同じ敷地にあり、木造中2階建て延べ約30平方メートル。屋根や柱、壁はそのまま残し、鉄骨とガラスで組んだ立方体の2部屋を内部に組み入れた。

 全方向ガラス張りのオフィスからは、ひび割れた土壁やむき出しの梁(はり)が見え、内部にあるIT機器と対照的な雰囲気を醸し出している。

 設計は神山で古民家改修を行う建築家集団バス・アーキテクツの須磨一清(いっせい)さん(東京都)が行い、2015年に整備を終えた。

 総工費は約1千万円で、建物自体を作り替えた方が安かったが、サンサンは「名刺という昔から変わらない物を生かし成長してきた。新旧の融合こそ社にとっては意味がある」とする。

 人事部の伊東敏さん(27)は「建物が古く、最初はここがオフィスになるのかと疑心暗鬼だったが、働く場所はどこにでもつくれるんだと実感している」と話した。