本番に向けて練習する吉野さん=吉野川市鴨島町西麻植の自宅

 吉野川市鴨島町西麻植の書道家吉野美苑(びえん)さん(52)=本名・吉野美保さん=が、米首都ワシントンの恒例行事「全米桜祭り」の関連フェスティバルなどに参加し、阿波和紙を使った書のパフォーマンスを行う。徳島で幼少期を過ごした社会運動家・賀川豊彦(1888~1960年)が訴え続けたメッセージ「人類友愛」などの文字を書き、平和の尊さを伝える。
 
 吉野さんは16日(現地時間)、ペンシルベニア通りに設けられるステージで、吉野川市のNPO法人「太鼓の楽校」の中西渉理事長が奏でる神楽太鼓に合わせるなどし、縦2メートル、横1・4メートルの和紙4枚に1文字ずつ書く。外国人にも伝わりやすいよう、象形文字を使う。

 通り沿いのブースでは、客が希望する言葉を和紙に書いたり、徳島の観光パンフレットを配ったりして、日本文化や徳島の魅力をアピールする。吉野川市山川町の阿波和紙伝統産業会館が和紙を無償提供する。

 フェスティバルへの参加は、昨年に続き2回目。世界で紛争や天災が相次いでおり、人は歩み寄り助け合って生きることが必要だと思った吉野さんは、今年のテーマを「人類愛と平和」に決めた。

 それを知人に伝えると、賀川が訴えていた「相互扶助」の考えと同じであることや、ワシントンに賀川の像が建てられている教会「ワシントン大聖堂」があることを教えてくれ、大聖堂での書道パフォーマンスもフェスティバル前日の15日に行うことにした。

 吉野さんは「徳島に賀川のような人がいたことを誇りに思う。書を通して、各国それぞれが持つ良き文化を後世に引き継いでいこうと伝えたい」と意気込んでいる。