熊本地震の被災地の熊本県西原村に住む大学講師藤本延啓(のぶひろ)さん(45)とその家族が18日、上勝町旭にある藤本さんの妻紀子さん(38)の実家に避難した。藤本さん宅には大きな被害はなかったが「すべての家屋が全半壊している集落もあった」と語った。
藤本さん家族は16日未明の大地震で自宅前の道路がひび割れるなどしたため、小学校に避難していた。しかしインフラ復旧の見通しが立たないことや、長男護人(さねと)ちゃん(3)と次男耕次ちゃん(5カ月)の精神的負担などを考え、上勝町に移ることにした。
紀子さんは実家でくつろぎながら「余震が頻発していて怖かった。ここなら安心して過ごせる」と話した。
村には大地震を引き起こした布田川断層があり、千棟以上の建物が全半壊したとみられている。藤本さんによると、断層近くの星田地区では大半の家屋が崩れ、地すべりに巻き込まれた民家もあり、その惨状に言葉を失ったという。
藤本さんは19日に再び村に戻り、勤め先の熊本学園大(熊本市)に設けられた避難所の運営などを手伝う考え。「現地のニーズを把握し、被災者をサポートしたい」と話した。