熊本地震に端を発した一連の地震活動が大分など北東側に広がりを見せる中、その延長線上にあると考えられる四国の中央構造線断層帯で18日午後11時19分ごろ、マグニチュード(M)3・1の地震が発生した。専門家は熊本周辺で相次ぐ地震との関連性は極めて低いとみているものの、「四国の中央構造線でも今後小さな地震が頻発すれば、M6~6・5クラスの地震が起こる恐れがある」と指摘している。

 徳島地方気象台によると、18日深夜の地震は、中央構造線が走る三好市池田町佐野地区で発生。震源の深さは熊本地震と同様、約10キロと浅かった。この地震で三好市では震度1を観測した。

 中央構造線の研究を長年続けてきた変動地形学が専門の岡田篤正京都大名誉教授(73)は、四国の中央構造線沿いでは熊本地震以前にもM3程度の小さな地震が多く起こっていたことから「単発的に発生したもので、熊本地震との関連はないだろう」と話す。

 豊臣秀吉の天下統一から間もない1596年には、別府湾から京都までの中央構造線沿いで「慶長伊予地震」と「慶長豊後地震」、「慶長伏見地震」の三つが短期間に連動発生している。

 地震考古学者の寒川旭さん(69)は、これら三つの連動地震を挙げながら「中央構造線断層帯が動くのは約2千年に1回。間隔的に今回再び大地震が起こるとは考えにくい」との見方を示した。

 しかし、中央構造線は1本の断層線ではなく複数の断層が束になって構成されていることから、2人ともこれまでに動いていない活断層が無数に存在する可能性を指摘。「局所的な地震はいつ起こってもおかしくない。油断は禁物だ」と注意を呼び掛けている。