太布の製造に取り組む伝承会員=那賀町和無田の太布庵

 那賀町木頭地区に伝わる古代布・太布(たふ)の継承に取り組む阿波太布製造技法保存伝承会の工房「太布庵」(同町木頭和無田)が、2001年の開設から15年を迎えた。伝承会は27日から、徳島市福島1の市立木工会館にある工房分室「リトル太布庵」で記念作品展や体験会を開き、全国で唯一残った伝統技法を紹介する。

 作品展は、会員が製作した太布織の反物やバッグ、作務衣(さむえ)をはじめ、染織作家の故川端芙美さんの作品など計約120点を展示する。15年の歩みもパネルで紹介する。29日には、太布織のコースター作り体験会や大沢善和伝承会長(74)=同町木頭和無田=による講演会がある。

 太布はコウゾなど木の皮をより合わせた糸を使った古代から伝わる織物。作業着や穀物袋などとして全国各地で織られていたが、綿織物の普及に伴い次第に姿を消した。

 明治期には2千反(1反=幅34センチ、長さ10メートル)を生産した同地区も、1950年ごろには一時生産が途絶えた。故岡田ヲチヨさんの県無形文化財保持者指定(70年)を機に保存活動が起こり、岡田さんが亡くなった翌84年に有志が伝承会を発足させた。2001年には太布庵を、10年には徳島市にリトル太布庵をそれぞれ開設した。

 太布庵では会員7人が毎週火曜に集まり、糸作りや昔ながらの「地機(じばた)」で布を織るなど技術習得に励んでいる。昨年度は約3反を編み上げ、バッグやテーブルセンターを製作し市木工会館などで販売している。

 大沢会長は「古代から継承されてきた貴重な伝統文化を広く知ってもらいたい」と話しており、年度内にホームページも開設する。

 作品展は27日~5月15日の午前9時~午後5時。入場無料。体験会は参加費700円。