那賀町鷲敷地区の浸水対策事業として徳島県が進めている「輪中堤(わじゅうてい)」整備事業で、同町は堤防建設に伴い住宅や事務所の移転を余儀なくされる約30戸・事業所へ代替地を確保する。26日、同町和食郷の町地域交流センターで説明会を開く。

 代替地は、同町和食郷の小川橋から町役場までの国道195号の南側2カ所で、畑などの民有地計約8300平方メートルを町が購入して希望者に分譲する計画。町は用地取得費約4800万円を2016年度当初予算に計上している。

 また、場所は未定だが町営住宅を新たに建設するほか、別の場所への移転を検討する住民には県と共に情報提供などの支援を行う方針。説明会には県の担当者も出席する。

 県や町によると、堤防は那賀川支流の南川と中山川の両岸、土佐、北地の両地区など総延長約4・5キロ。建設用地は約15ヘクタールで、田畑などの地権者は約240人おり、このうち建物は約30戸・事業所が含まれている。

 県は現在、土地の境界の確定などを進めており、今秋にも用地取得に向けた地権者との交渉に入る予定。19年度末の完成を目指している。