モラエスを紹介する歌を作詞した東根さん(右)と作曲の根井さん(中)、歌唱を担当する丁山さん=徳島市の県立文学書道館

モラエスを紹介する歌を作詞した東根さん(右)と作曲の根井さん(中)、歌唱を担当する丁山さん=徳島市の県立文学書道館

 作詞家の東根泰章さん(68)=小松島市日開野町高須=らが、徳島で晩年を過ごしたポルトガルの文人モラエス(1854~1929年)を紹介する歌謡曲を作った。眉山山頂にあったモラエス館が2015年3月に閉館したことから、徳島の魅力を母国に発信していたモラエスを県民に忘れないでもらおうと企画した。

 タイトルは「モラエスごころ~孤愁(サウダーデ)~」。歌詞では「小松島港から二軒屋駅へ 終の棲み家は眉山 下」とモラエスの足跡をたどった。「愛の彷徨 精霊の灯が 心の中で 燃え盛る」は、新町川で精霊流しを見ながら亡き妻や遠い故郷を思うモラエスの哀愁を表現している。

 東根さんの友人で、趣味でギターやピアノを弾いていた根井正信さん(69)=徳島市中吉野町1=が作曲を手掛けた。ゆったりした曲調はモラエスが草履で町を散歩する様子をイメージし、幅広い年齢層が歌いやすいように音域は狭くしている。

 今後、各種イベントで披露していく。根井さんが演奏し、NPO法人モラエス会の丁山俊彦理事長(69)=石井町浦庄=が歌唱を担当する。

 歌唱の依頼を快諾した丁山さんは「妻や徳島を愛し続けたモラエスの人となりを多くの人に知ってほしい」と話している。希望者には根井さんが作ったギターとピアノの譜面を無料で配布する。問い合わせは茶論・丁字堂<電090(4508)0538>。