東日本大震災で被害を受けた漁業の手伝いをする学生ボランティア活動支援室のメンバーら=2016年3月、岩手県山田町(支援室提供)

 四国大の学生ボランティア活動支援室が設立10年を迎えた。この間、学生が運営主体となって積極的な活動を続け、ボランティアを求める社会ニーズと、人の役に立ちたいと考える学生との橋渡し役を担ってきた。卒業などでメンバーが入れ替わっても、学生が能動的にボランティアに関わっていく精神は受け継がれている。

 支援室は「ボランティアを通じて人間的に成長できる場をつくろう」と、同大短期大学部の日開野博教授(社会福祉学)らが2006年4月に設立した。現在は2~4年の学生9人が運営に携わり、子ども向けイベントの手伝いや高齢者との交流、献血の呼び掛けなど、年間50件以上のボランティアの橋渡しをしている。

 この10年で、支援室が管理する「ボランティアバンク」に登録する学生は飛躍的に増えた。発足時の06年に15人だった登録者は徐々に増え、3年ほど前からは30~40人に。今年は100人を優に超えそうだという。「特に東日本大震災以降、ボランティアの必要性や重要性が改めて見直されるようになった」と日開野教授は話す。

 ボランティアの橋渡しだけでなく、支援室の運営メンバー自身も積極的にボランティア活動に関わってきた。東日本大震災後は募金活動や被災地での復興支援に携わったほか、県内でも14年8月の台風で阿南市や那賀町が浸水被害に遭った際、いち早く現場に駆け付けて家屋の泥かきなどに汗を流した。

 メンバーの前里由起さん(21)=文学部4年=は、活動を通じて自身の変化を感じている。「積極性を身に付けることができたし、困難に直面している人やボランティアとして派遣された人の思いも想像できるようになった」。こうした活動を後輩にもつなげていきたいと考えている。

 日開野教授は「ボランティア経験のある学生だからこそ、橋渡しやサポートもできる。今後も学生と社会をつなぎ、ボランティア精神を育む場として発展してほしい」と話している。