修繕された三番叟(左)とえびすの頭

 一人遣いの人形芝居の伝承に取り組む阿波木偶箱まわし保存会(徳島市、中内正子会長)が、東みよし町の民家で発見された三番叟まわし用の木偶2体を修繕した。徳島市の人形師が無償で協力。30日に徳島市内で開かれる保存会20周年を祝う会で、同町教育委員会の川原良正教育長に手渡される。

 人形は2015年6月、同町加茂で工事業者が民家を解体中に発見した。人形師・初代天狗久(1858~1943年)作のえびす人形と、作者不詳の三番叟人形の1体ずつで、業者が家の持ち主と相談した上で、町教委に寄贈していた。

 町教委は、同町で箱まわし伝承教室を開くなどしてゆかりのある箱まわし保存会に相談。箱まわし保存会の依頼で、阿波木偶制作保存会の美馬由夫会長(83)=徳島市国府町中=がえびすの頭を、甘利洋一郎さん(71)=同市勝占町原=が三番叟の頭を修繕した。

 衣装は夏までに、箱まわし保存会が新調する予定。費用は、辻本一英顧問(64)=徳島市国府町芝原=が阿波木偶箱まわしの復興・継承に貢献したとして受賞した「第4回水木十五堂賞」の賞金を充てる。

 箱まわし保存会は2004年から県内の小中学校で伝承教室を開いており、人形は町内の三好・三加茂両中学校の伝承教室や成果発表会で使われる。

 箱まわし保存会は「県内の民家や倉庫には、多くの木偶が眠っていると考えられる。次世代への文化継承に役立てるため、寄贈していただければ」と呼び掛けている。