徳島県内でマイナンバー制度の個人番号カード交付を受けたのは3月末時点で1万6147人と、県人口(76万6729人、同月末時点)の2・1%にとどまっていることが分かった。カードを取得するメリットが少ないことが要因とみられる。
24市町村ごとの個人番号カード交付数は《別表》の通り。カードは3月末時点で少なくとも4万8千人が申請しているが、「地方公共団体情報システム機構」(東京)によるカードの発行作業が進んでおらず、3万人余りに届いていない。交付率(人口に占める交付数の割合)は最も高い上勝町で5・3%にとどまる。
マイナンバーは社会保障や税などの行政手続きで必要となる。カードはそうした手続きのほか、インターネットで確定申告ができたり公的な身分証明書として使えたりするが、自治体が付加機能を付けない限り、その他に特段の機能はない。
県内では三好市と藍住町がコンビニで住民票の写しなどの証明書の交付を受けられるサービスを1月に開始。美波町では3月、カードを使って住民の避難状況を確認する津波避難訓練が行われた。
ただ、こうした取り組みは他の自治体には広がっていない。カードを申請していない徳島市内の50代女性は「住民側にどんな利点があるのか分からない」と話す。
自治体でも同様の見方をしている。
徳島市は、コンビニでの証明書交付を17年度以降に導入できないか検討している。担当者は、行政機関が持つ自分の特定個人情報をカードで確認できるサイト「マイナポータル」が同年1月に開設される予定になっていることを挙げ「申請が加速するのはサイト開設以降ではないか」とみる。
一方、マイナンバーを知らせる「通知カード」は全世帯(33万2728世帯、今年3月末時点)の2・6%に当たる8682世帯が受け取っておらず、多くは役場に保管されたまま。各市町村は住民にはがきや電話で通知カードの受け取りを呼び掛けている。