[上]調理するムスダバさん。「多くの人にケバブ料理を味わってほしい」と話す[下]ケバブサンドを味わう来店客=ともに徳島市蔵本2の「ハラルケバブ」

 徳島県内では珍しい中東地域の肉料理ケバブの店が徳島市蔵本2にオープンした。営むのは中国新疆ウイグル自治区出身のズヌカン・ムスダバさん(32)=同市金沢1。県内のイスラム教徒向けに車で移動販売していたが、できるだけ多くの県民に味わってもらおうと、常設店を設けることにした。

 ケバブはトルコ語で「焼いた肉」という意味。メニューは、円形のパンに鶏肉とキャベツを挟み込んだ「ケバブサンド」や「ケバブライス」、「トルコアイス」など5種類。イスラム教の戒律に従い処理された食材を使う。

 ムスダバさんは2008年、妻シリプグリ・キラモさん(33)が徳島大工学部に留学するのを機に来県。イスラム教徒が安心して食べられる料理を提供する店が県内に少ないことを知り、料理店を開くことを決めた。

 独学で研究を重ね、15年3月、徳島市中島田町2のモスク(イスラム教礼拝所)前で販売をスタート。徳島大の売店や四国大の食堂、同市問屋町の日曜市でも提供してきた。さまざまな国や地域の人たちの口に合うように味付けを工夫。店の存在は口コミで広がり、留学生らから人気を集めている。

 常設店は「ハラルケバブ」との名で、今月4日にオープン。地元住民やイスラム諸国出身の人々が多く訪れている。移動販売時からの常連だという加茂名中3年安村りえさん(14)は「(母親の故郷の)フィリピンで食べていたものよりおいしい」と話す。

 「徳島は第二の故郷。自然の豊かさや人懐っこい人柄が魅力」と言うムスダバさんは今後、食材を全て徳島産で賄いたいという。インドネシアやマレーシアなどのエスニック料理にも挑戦するつもりだ。

 問い合わせはハラルケバブ<電080(3927)3929>。