5日午前6時50分ごろ、美波町田井の田井ノ浜で、イルカのような生物が浅瀬に迷い込んでいるのを、朝日の写真を撮りに来ていた男性が見つけ、牟岐署に通報した。体長は2・5メートルほどで、小型鯨類のハナゴンドウとみられる。東由岐漁協の漁師らが沖合に誘導し、約2時間後、元気に去っていった。
町によると、ハナゴンドウは発見時、水際から15メートルほどの浅瀬にいた。体の3分の1程度が海面から露出し、背びれや尾ひれが見える状態だった。鼻孔から潮を噴き出して呼吸していたことなどから、町は保護する必要はないと判断。沖合に誘導することにし、漁協に協力を要請した。
午前9時前、東由岐漁協の漁師2人が伝馬船で近づき、ロープを掛けようとしたり、体に触れたりしているうちに、沖合へ泳いでいった。
田井ノ浜では数年に一度、イルカが浅瀬に迷い込むことがあるが、ハナゴンドウは珍しいという。発見した阿南市福井町古津、会社員土井真琴さん(42)は「最初は流木だと思った。ハナゴンドウだと聞いて驚いた」と話していた。