徳島県は、地方創生に向けた市町村の取り組みを支援する徳島版地方創生特区に、新たに石井町と美波町の2事業を指定することを決めた。石井町は「アグリサイエンスゾーン」を核に6次産業化に取り組み、美波町は農村舞台の復活などを通じて地域活性化を目指す。特区は昨年10月に第1弾として指定した那賀町と板野町の2事業を合わせ、4事業となる。
石井町の「次世代育成・六次産業集積特区」は、町内の県立農林水産総合技術支援センターと徳島大生物資源産業学部農場で形成する「アグリサイエンスゾーン」を核に、6次産業化の担い手育成や特産品の開発に取り組む。
「農」に関する事業を通じ、大学生やUIJターン者の移住も促進する。県は、市街化調整区域内で6次産業化に関する施設などを整備するに当たり、規制緩和の面からサポートする。
美波町は「歴史文化の力でまちづくり特区」と銘打ち、赤松地区に100年前に存在した人形浄瑠璃座の復活公演を目指す。薬王寺の門前町で空き店舗の再生やイベント開催にも取り組み、町外からの集客を図る。県は民泊の推進やイベント開催時の環境整備を支援する。
県はこのほか、両町に対して事業費の3分の2を助成する。
特区には指定しなかったものの、吉野川市が提案した「麻による新産業創出特区」と、三好市の「観光連携による中山間地域農業改革特区」の2事業を、早期の指定を目指して検証や助言を継続する「支援枠」に位置付ける。
県は3月1~31日に提案を募集し、4市町から4事業の応募があった。「vs東京」実践委員会の徳島版地方創生特区選定部会で、外部有識者を交えた審査を行って選定した。