100万人目の入館者として森館長(左)から認定証と花束を受け取る松村夫妻=鳴門市大麻町の市ドイツ館

 鳴門市大麻町板東の市ドイツ館で、第1次世界大戦時に同市にあった板東俘虜収容所のドイツ兵と住民との交流を伝える資料コーナーへの入館者が30日、100万人を突破した。1993年10月の現施設オープンから22年7カ月での達成。資料の一部は市と県が共同で国連教育科学文化機関(ユネスコ)「世界記憶遺産」への登録を目指しており、日独友好・交流や観光の拠点として一層存在感を増している。

 現施設は72年オープンの旧施設を新築移転して開館した。姉妹都市の独リューネブルク市の市庁舎を模した外観で、収容所関連の写真、書籍など約500点を収蔵。約100点を常設展示し、94年度には過去最多の約8万人が訪れた。近年の入館者は年間2万5千~5万人で推移しており、2015年度は約2万8500人だった。

 100万人目となったのは、観光で立ち寄った広島市の公務員松村吉朗さん(47)涼子さん(39)夫婦。森清治館長から認定証や記念品が贈られ、「これを機にまた訪れたいし、知人にも宣伝します」と喜んだ。

 同館では、18年にアジア初演100周年を迎えるベートーベン「第九」交響曲のコンサート、ドイツの食材が楽しめるイベントなども定期的に開き、ドイツ文化の普及にも取り組んでいる。

 収容所を舞台にした映画「バルトの楽園」が公開された06年以降は、人権教育の場としての利用も増えている。松江豊寿所長の捕虜に対する人道的な対応が注目され、関西、中国地方から人権擁護委員や民生児童委員が訪問。15年度は約200人が視察した。

 森館長は「資料をもっと見つめ直すことで新しい発見も出てくる。そうした成果を生かしながら、館や日独友好・交流をPRしていきたい」と話している。