徳島県と鳴門、松茂、北島、藍住、板野の1市4町が整備を進める旧吉野川流域下水道(第1期計画)で、北島町内の支線整備が遅れている。他の市町は既に完了したが、北島町の進捗(しんちょく)率(2016年2月時点)は36・6%にとどまる。町は「大型事業と重なり、コスト削減に向けた設計に時間を要したことが響いている」としている。
旧吉野川流域下水道は県が幹線と終末処理場、各市町が支線を整備する。計画当初は同時完成を目指していたが、市町の支線整備は遅れ、県が整備する幹線と終末処理場が完成した2009年4月には、一部の利用開始にとどまった。
県水・環境課によると、松茂町が10年度、鳴門市が11年度に整備を完了したものの、藍住町は13年度、板野町は14年度まで完成がずれ込んだ。16年2月時点の全体の進捗率は86・8%となっている。
北島町下水道課によると、町は08年度から北島中学校の校舎改築事業に乗り出しており、09年度当初予算は過去最大の77億円超に膨らむなど大型投資を余儀なくされていた。このため当時の町長が、費用負担の大きい下水道整備に極めて慎重で、コスト削減を目指し何度も設計や工事計画を練り直した結果、なかなか整備が進まなかったという。
同課では「できるだけ工事を急ぎ、18年度には整備を完了できるようにしたい」としている。