徳島県阿波市阿波町の活性化団体「岩津大ナマズクラブ」は、地域の歴史や防災に関心を持ってもらおうと、同町林地区の立体模型を子どもたちと作った。吉野川の今昔のほか、災害時の避難場所や観光名所などが一目で分かるように仕上げている。
模型は縦72センチ、横45センチ。加工しやすい発泡ポリスチレン製のボードを使って建物や地形を作った。地形の一部をはがすと、1200年ほど前の平安時代に地区内を流れていたとされる吉野川が再現される。
珍しい構造の岩津橋のほか、国指定天然記念物の阿波の土柱、1960年ごろまで活躍していた渡し船といった名所に加え、病院や学校、公民館なども作ってハザードマップの役割も備えた。
クラブは4月から模型制作に向けた勉強会を開始。希望する子どもを集め、地元史に詳しい森住紘一(けんいち)さん(73)=同市阿波町乙岩津=ら会員が、一緒に地域を見学して歴史や文化などを教えた。
8月下旬から10人ほどが参加し、約1週間かけて模型を完成させた。熱心に取り組んでいた林小2年の坂元海翔(かいと)君(8)は「住んでいる地域がよく分かるようになった」と笑顔だった。
模型はクラブ会長の吉田勝己さん(75)=同市阿波町南整理=が保管しており「岩津橋周辺など、さらに詳しく分かる模型も考えたい」と話した。