美波町奥河内の日和佐図書・資料館は本年度、町内の子どもの読書習慣づくりに向けた活動を充実させる。由岐地区の由岐、伊座利両小学校で順次、蔵書の配本や司書による読み聞かせを開始。21日には館内での絵本の読み聞かせ会を、5年ぶりに再開する。
由岐小では4月27日に児童書など50冊を配本し、3、4年生15人に司書が絵本2冊を読み聞かせた。4年の伊吹綜太君(9)は「絵を見ながら声でも伝わってきて内容がよくわかった」と話した。今後、月3回のペースで司書が出向き、読み聞かせを実施する。
伊座利小には5月27日に約60冊を配本し、司書が読み聞かせをする。以降も月1回、50~60冊の配本と読み聞かせを行う予定だ。
両校への読書活動の支援は、2015年11月に町議会議場で開いた中学生議会で生徒から「伊座利小に図書館を造ってほしい」との声が出たことがきっかけ。由岐地区は日和佐地区の同館から離れており、子どもが利用しづらいことから、配本と読み聞かせを行うことにした。
一方、館内での絵本の読み聞かせ会は、21日から月1回程度実施する計画。
同館では、住民グループ「ひわさおはなしクラブ」や個人のボランティアが01年から月1回程度、読み聞かせ会を実施していた。しかし、同クラブの会員減少などにより11年を最後に途絶えていた。過去に読み聞かせ活動をした経験のある人らに声を掛け、新たにボランティアを5人ほど確保して再開にこぎ着けた。
橋村百恵館長は「一人でも多くの子どもたちが本の中での新しい出会いや考え方に触れる機会をつくりたい」と話している。
同館は1991年に開設。蔵書は4万4355冊(3月31日時点)あり、15年度は1万7105人が利用した。