神山町神領の大粟山で3日、芸術家を招いて創作活動してもらう「神山アーティスト・イン・レジデンス(KAIR)」の過去の作品を巡るツアーがあった。県内外から10人が訪れ、里山の風景に調和した現代アートの数々を楽しんだ。
NPO法人グリーンバレー職員の案内で、標高250メートルの大粟山に点在する7作品を鑑賞。約30個の飛び石で清流・鮎喰川の流れを表現した作品や、2万枚以上の竹の板を高さ3メートルまで釣り鐘状に積み上げた造形物などを見て回った。
住民が山頂まで石を運ぶなどして制作に協力したことや、作品展示をきっかけに有志が森の間伐を始めたことなど、地元との関わりについても説明があり、参加者は熱心に聞き入っていた。
大阪大4年の石原翔太さん(23)=大阪市=は「作家と住民が芸術を大切に育んできたことが分かった。作品が森になじんでいた」と話していた。
KAIRは1999年にスタート。今年は招待作家3人を5月中に決め、8月中旬から創作に取り組んでもらう。作品は10月23日~11月3日に展示予定。