美波町は、地域活性化支援会社あわえ(同町日和佐浦)と連携協定を結び、サテライトオフィス(SO)の誘致を強化する。町外からの研修や視察の受け入れなどを拡充し、進出するSOを現在の12社から、2019年度には24社への倍増を目指す。17日に町役場で調印式を行う。
協定では▽人の流れづくり▽資源を活かした仕事づくり-など五つの連携項目を設定する。あわえが全国の自治体職員らを対象に実施する滞在型研修の共同開催や、視察の受け入れ拡充などを想定しており、具体的な取り組みは双方が必要に応じて協議する。
あわえは、12年に同町初のSOを構えたサイファー・テックの吉田基晴社長(44)=同町出身=が、地域再生を支援するため13年に設立。県が東京や大阪で開く移住希望者向けのイベントで町をPRし、15年には日和佐浦地区にSO体験交流施設・戎邸を開設するなど、SO誘致や情報発信に貢献してきた。
町にSOを置く企業は県内で神山町の13社に次いで多い。SOで働く若者らが増えたことなどから、転入から転出を引いた社会動態人口が14年に6人増と06年の合併以降初めてプラスに転じ、全国的に注目されている。
町は、人口減少対策の指針となる町版総合戦略(15~19年度)でSOを15社(15年度は3社が進出)誘致することや、町への来訪者を14年度の111万人から年間130万人に増やすことなどを目標に掲げている。町とあわえは、町のPRや視察者の案内などで協力してきたが、活動をより円滑にするため協定を結ぶことにした。
吉田社長は「人口減少に歯止めを掛けるためにも、SOのさらなる誘致につながるよう積極的に活動していきたい」と話す。影治信良町長は「町版総合戦略を実現させ、ノウハウを他市町村にも“美波モデル”として伝えたい」と意気込んでいる。