四国三郎牛の飼育に汗を流す北谷組合長=吉野川市川島町児島

 吉野川市など県内の肉牛農家が、吉野川流域で育てた牛を「四国三郎牛」のブランドで売り出し、関西への出荷数を伸ばしている。互いに技術を磨き、西日本最大級の品評会で2年連続して最優秀賞を獲得。量販店で試食会を開くなどPR活動にも力を入れており、さらなる消費拡大を狙っている。

 吉野川市川島町児島の北谷昌也さん(34)が知名度のある吉野川の別名を生かしてブランド化を図ろうと、2007年に商標登録した。肥育技術の高い農家らに声を掛け、12年に5戸で「四国三郎牛生産者組合」を結成。北谷さんが組合長を務め、現在は吉野川、阿波、三好、阿南各市の9戸が加入する。

 黒毛和種と交雑種に吉野川の水や流域で育った牧草を与え、出荷前の1年~1年半には特別に配合した飼料を餌に加える。肉は、程よく脂が乗って柔らかく、さっぱりとした味が特徴という。統一ラベルを付け、食肉の取扱高で国内2位の大阪市中央卸売市場南港市場に出荷している。

 JA全農とくしまによると、現在の9戸になった13年度の出荷数は439頭で、14年度は482頭、15年度492頭と年々増加。平均単価は他の県産牛の平均より1~3%高く取引されている。

 組合では、飼育管理の講習会や卸業者との意見交換会、独自の品評会を開くなど、地道に技術の向上に努めてきた。15年の全日本牛枝肉コンクール交雑牛部門、16年2月の全農肉牛枝肉共励会和牛部門で、それぞれ最優秀賞を獲得。南港市場営業部は「サシの入りや肉質がよく、目当てに買い付けに来る業者もいてニーズは高まっている」と評価する。

 今年2、3月には和歌山、兵庫両県の量販店で試食会を開いたほか、京都、大阪、兵庫の3府県の料理教室で主婦層にPRした。北谷組合長は「組合員同士で刺激し合って品質を高め、今後もPRを続けたい」と意気込んでいる。