<がむしゃらに生きて走り続けたが/いつの間にか僕も今年33/既に人生の半分に来た>。5月に死去した西城秀樹さんが歌った「33歳」の一節だ。人生80年の時代。なのに西城さんは、歌詞に従うかのように63歳で逝った。ここ数日の冷たい夜風が、物悲しいバラードをふと思い出させる
こちらは現役バリバリ、恐らく世界で一番有名な「33歳」である。任天堂のゲームソフト「スーパーマリオブラザーズ」が13日に誕生日を迎えた。別のゲームに登場していた主人公のマリオが、パワーアップした作品
大魔王クッパを倒し、さらわれたピーチ姫とキノコ王国を救う。関連ソフトの累計販売数は全世界で3億本超。驚異のシリーズは、今も新作が創り出されている
生みの親の宮本茂さんは7年前、ゲーム分野で初の芸術選奨を受賞した。マリオは今や海外で人気のある日本文化「クールジャパン」の代表格。疑う向きはなかろう
ゲームのやり過ぎで生活に支障を来す「ゲーム障害」が病気と認定されたのは、6月のこと。ゲーム全般への警戒感は根強いが、病に陥らないよう注意し、マリオを大切にしたい
公式サイトを見れば、マリオは実のところ24、25歳の設定らしい。人生の半分どころか、永遠の青年だった。この先何年たとうとも、新作と共に進化し、愛され続けるのだろう。