過酷なシベリア抑留の思い出を語る鳴鬼さん=小松島市立江町黒岩のふれあいセンター立江

 第2次世界大戦後、シベリアに抑留された鳴鬼仁人さん(91)=小松島市和田島町=を招いた戦争講演会「戦後71年の記憶」が8日、同市立江町黒岩のふれあいセンター立江であり、市内外から約170人が参加した。

 鳴鬼さんは20歳だった1945年2月、旧満州(中国東北部)の関東軍1215部隊に着任し、8月のソ連軍侵攻後に捕虜になった。貨物列車にすし詰めにされて連行されたシベリアでは材木の伐採に従事した。

 食事は朝夕のわずかなスープと昼のパンしか与えられず、盗んだパンを靴の中に隠したりヘビやネズミ、カエルなどを捕まえたりして空腹をしのいだ。冬場はマイナス40度に達する極寒の環境だったという。

 鳴鬼さんが「栄養失調と重労働、厳しい寒さのせいで戦友がたくさん死んだ。安全保障関連法が施行されるなどきな臭い時代になったが、戦争だけは絶対に起こしてはならない」と呼び掛けると、会場は大きな拍手に包まれた。

 講演会は、戦後70年を過ぎて風化しつつある戦争の記憶を後世に引き継ごうと、立江町の住民グループ「たつえ歴史教室」が主催した。