徳島県内の衣料品店や百貨店でクールビズ商戦が活気づいてきた。東日本大震災以降は原発事故に伴う省エネ意識の高まりで軽装化が進んでいたが、今夏はスーツを着用する落ち着いたスタイルが主流に戻りつつある。各店ともビジネス感と涼しさを両立させた商品を充実させている。
はるやま徳島応神店(徳島市応神町西貞方)の主力商品は、着用時の圧迫感を抑えて通気性を高めた「ストレス対策スーツ」。スポーツ用品メーカーと共同開発した生地を使ったり、薄い生地でも形が崩れない工夫を凝らしたりしている商品をそろえた。スーツの販売コーナーを例年より広くして売り込む。逢坂祥陽店長は「商談ではかっちりした格好の方がうまくいくこともある。暑さが苦にならないスーツの需要は高い」とみている。
洋服の青山徳島沖浜店(同市沖浜3)は、しわになりにくいスーツ「ゼロ・リンクル ビズ」が売れ筋だという。かばんの持ち手などに引っ掛けておくことができ、外回りの営業職を中心に注目を集めている。例年の同時期と比べ、スーツ全体の売り上げは2割ほど増えている。
同店では女性服の品ぞろえを充実させ、3年前の約1・5倍に増やした。男性と比べるとスーツ志向は弱く、生地に日焼け防止加工を施したシャツや、自宅洗いができるジャケットが人気を集めている。
そごう徳島店(同市寺島本町西1)では、男性用スーツの売り上げが例年より若干好調ながら、ジャケットとパンツや、ワイシャツとパンツの組み合わせも根強い人気がある。
より軽装のスーパークールビズは低調で、紳士・スポーツ販売の担当者は「ビジネスらしい節度あるスタイルが選ばれている。その中で好みが細分化しているのでは」と分析している。