雌雄ともいなくなったコウノトリの巣=14日、鳴門市大麻町(読者提供)

 鳴門市大麻町に居着いているコウノトリの雄が11日夕以降、巣を離れていなくなっていることが16日、分かった。雄には衛星利用測位システム(GPS)が装着されておらず、行方はつかめていない。コウノトリの雌雄が同市に定着してから約1年。4月19日に雌が飛び去ったのに続いて、雄も姿を消し、地元住民らは肩を落としている。

 雄が最後に確認されたのは5月11日午後4時50分ごろ。観察していた近くの40代男性が、巣の上でいるのを見ている。それ以降、目撃情報がない。

 兵庫県豊岡市の市民団体・コウノトリ湿地ネットは、同県内の会員に飛来情報の提供を呼び掛けているが、16日時点で1件も寄せられていない。

 同ネットは「なぜ雄がいなくなったのか分からない」としている。

 官民でつくるコウノトリ定着推進連絡協議会によると、4月下旬にも2日間ほどいなくなった。ただ、5日間も姿を現さないのは初めてという。

 徳島県の担当者は「5日間と長いので、戻ってくれるか心配だ」と話している。雄を最後に確認した男性は「2羽ともいなくなるとは思わなかった。雌が戻って再び仲良く過ごしてほしいと願っていただけに非常に残念」と表情を曇らせた。

 2羽は2015年5月に巣作りしたのを機に、鳴門市に定着。16年3月19日に豊岡市とその周辺地域以外で初めてとなる野外での産卵が確認されたが、抱卵中の4月5日に仲たがいし、雄が雌を寄せ付けなくなり、卵はカラスに奪い去られた。GPSを装着した雌は徳島を離れ、豊岡市などで過ごしていることが確認されている。