徳島市の新町西地区再開発事業の白紙撤回を主張する遠藤彰良市長と、事業主体の再開発組合(森竹義浩理事長)役員との2回目の協議が20日、同市西船場町1のホテル・ニュー東洋で開かれた。市長は事業を白紙撤回する手順を説明する中で、組合が事業推進を前提に借り入れている資金について「市に責任があるものは払うのが当然だと思う」と述べ、市が賠償することに含みを持たせた。

 組合からは森竹理事長ら理事10人全員、市からは市長ら5人が出席した。

 組合側の説明によると、大手ゼネコンなどから調査設計費などの名目で既に約6億円を借り入れており、返済の当てはない。この借入金の扱いについて問われた市長は、市の方針転換に伴って組合が背負う負債に対しては、賠償する考えがあることを示した。

 事業の白紙撤回に向けた法的手続きでは、「地方自治法に基づく市長権限でホールを買い取らず、補助金も支出しない。市が事業から撤退することで白紙に戻す」と述べ、記者会見などで説明してきた従来の主張を繰り返した。

 現在の土地・建物の価値を再開発ビルの床面や金銭に置き換える権利変換計画の認可申請が組合から出されていることに対しては「(市が補助金などを支出しないと)資金計画のめどが立たず、事業が継続できない」とし、不認可とする考えを伝えた。

 組合が解散総会を開くためには債権者の同意が必要になり、組合の意思だけでは解散できない仕組みになっている。組合側は「組合が解散しない限り不動産売買の制約も続く」と訴え、土地が自由に売却できない現状では地権者の利益も損なわれていると強調した。

 協議後、市長は報道陣に対して「(事業が白紙になることに伴う)地権者の損害についても把握する必要があり、組合に報告を求めたい」との考えを示した。