消費者庁の徳島移転を目指し議論するパネリスト=徳島市のホテルクレメント徳島

 徳島県が誘致を提案している消費者庁の移転実現を目指す地方創生シンポジウム「消費者庁を徳島へ!」(徳島新聞社主催)が22日、徳島市のホテルクレメント徳島であった。610人が参加し、消費者庁移転が、地域活性化やワークライフバランス(仕事と生活の両立)の見直しなど、都市と地方が抱える課題の解決につながるとの認識を深めた。テレビ会議システムで東京から参加した河野太郎消費者行政担当相は「徳島でかなりの仕事ができる」と、改めて移転に前向きな姿勢を示した。

 河野氏のほか、飯泉嘉門知事、前消費者行政担当相の山口俊一衆院議員、4K映像制作会社「えんがわ」(神山町)の隅田徹社長、加渡いづみ四国大短期大学部准教授がパネリストとして出席。徳島新聞社の岡本光雄論説委員長がコーディネーターを務めた。

 知事はICT(情報通信技術)を使ったテレワークが働き方の見直しにつながるとし、「働き方を変え、東京一極集中を是正し、地方創生を成し遂げたい」と語った。

 河野氏は「(移転に)問題があるのは当然。それをどう解決していくかだ」と、徳島での試験業務の成果に期待。鳴門市の鳴門合同庁舎で始まった国民生活センターの教育研修業務について「インターネットを使った研修もできるのではないか。徳島ならではの研修を始めてほしい」と提案した。

 山口氏も、テレワークが霞が関の働き方を変えるきっかけになると指摘。「今まで何度も失敗してきた省庁移転を何としてもやり抜くことが大事」と訴えた。

 隅田社長は「ICTの進化で(神山町での業務に)問題は何もない」とした上で「(今回、移転できなければ)必要以上に東京と他地域の間のハードルを高くしてしまう」と懸念を示した。

 加渡准教授は、徳島は消費者教育や消費者活動に関わる人材層が厚いと強調。「高齢者の被害を未然に防ぐために地域総ぐるみで見守る態勢をつくっている」と消費者意識の高さを説明した。

 シンポジウムに先立ち、増田寛也元総務相が基調講演し、消費者庁の徳島移転について「日本が抱える課題を解決する上で、必ず成功させてモデルとしなければいけない」と呼び掛けた。