SOを視察する企業の代表ら=2015年11月、神山町神領

 空き家活用やサテライトオフィス(SO)の誘致に取り組む神山町への視察数が2015年度は388団体、2619人に上り、過去最多となった。受け入れ窓口のNPO法人グリーンバレーによると、新たな働き方を模索する企業や過疎地の活性化策を探る自治体などが中心。グリーンバレーは「社会の成長のひずみが浮き彫りになる中、解決のヒントを求めているのではないか」と分析している。

 グリーンバレーによると、15年度の視察者の内訳は▽行政機関・自治体81団体、685人▽議会63団体、522人▽企業・法人110団体、533人▽学生・研究生32団体、246人▽一般個人・団体など102団体、633人-だった。

 集計は13年度から始め、同年度は286団体、1636人、14年度は362団体、2207人だった。14年度比では企業・法人が36団体、議会が16団体それぞれ増えたのが目立つ。SO誘致に伴いメディアでの露出が増えたほか、全国で地域版地方創生戦略づくりが進んだことが要因とみられる。

 視察者が最も多い企業・法人では、ITベンチャーなどに加え、有名メーカーなど大企業の関係者が増え始めた。

 グリーンバレーの担当は「ワークライフバランスや子育て環境を重視する世代が増え、多様な働き方へのニーズが大企業でも高まっているようだ」と解説する。

 昨年8月には東京の女性起業家が子ども連れで町を訪問。自然豊かな神山に子どもと共に短期間滞在して働く「子連れSO」の可能性を探った。

 卒論の題材として訪れる学生も目立つ。「芸術を核としたまちづくり」をテーマにした卒論を書くため、宮城大4年だった昨年9月に来訪した大山まみさん(22)は「多様な人が町に入り、まるで『人間交差点』のようで興味深かった」と話した。

 グリーンバレーを介さず視察する人も多く、実態はさらに多いとみられる。