第1次世界大戦時に鳴門市にあった板東俘虜収容所の所長を務めた松江豊寿(1872~1956年)の銅像を、地元有志らが建立することになった。ドイツ兵捕虜に対する人道的処遇で知られ、ベートーベン「第九」のアジア初演を生んだ功績を後世に伝える。23日に開いた発起人会で、賛同する市民から広く建立資金を募り、「第九」アジア初演100周年に当たる2018年までの完成を目指すことを決めた。
発起人会は市ドイツ館で開き、矢野茂文元市長、大麻町商工会の斉藤忠恒会長ら15人が名を連ねた。銅像はドイツ館敷地内での設置を想定。次回の会合で銅像の規模や募金目標額などを決めた上で、実行委を発足させる。募金活動に協力してもらう会員も募る。
会合では「個人だけではなく企業からも募ってみては」「松江の出身地の福島県会津若松市にも協力を呼び掛けよう」といった意見が出た。
発起人の一人で、NPO法人ドイツ村BANDOロケ村保存会の圃山弘美理事=同市大麻町桧=は「日独友好のシンボルとして、世界平和を発信する銅像にしたい」と話した。
松江の銅像建立は、市の第九100周年プロジェクト事業の一つにも位置付けられており、市も支援していく。