自然由来の生薬を組み合わせた漢方薬を作り、体調不良に悩む人にアドバイスする漢方薬局を、昨春、兵庫県西宮市にオープンさせた。調剤棚にはシャクヤクの根や桂皮(けいひ)など200種類以上の生薬が並ぶ。「来店者からじっくりと話を聞き、その人に合った漢方薬を提案している。体を強くして生活に彩りを与えるきっかけになれば」と話す。

 もともと東洋医学とは無縁だった。大学の薬学部で西洋医学に基づいた薬学を専攻した後、薬剤師として東みよし町内の病院に勤めた。しかし、医師の処方箋通りに薬を出す仕事に限界を感じた。薬に関する知識を深めるため、勉強会を開いていた兵庫県宝塚市内の薬局へ毎月赴いた。そこで出合ったのが漢方だった。

 「薬剤師としてできることの幅が広がる思いがした。他の人がやっていないことをしたかった」。一念発起し、2011年に中国・上海の上海中医薬大学へ留学。1年半かけて最新の研究事例や中国語を学んだ。帰国後も修士課程に進むとともに、開業に向けた準備を進めた。

 「最先端の漢方を本場で学び、中国語の論文を読みこなせる薬剤師はそういないと思う。ただ、西洋医学を否定するものではなく、共存できればと考えている」と言う。

 開業した薬局には数多くの生薬をそろえ、カウンセリングルームや生薬を煎じて抽出する機材も備えた。「開業から1年もたっていないので、知名度はまだ低い。地道に実績を積み重ね、徳島からも足を運んでもらえるような薬局にしていきたい」と表情を引き締める。

 妻子とともに年3回以上は阿波市へ帰省し、時間があれば吉野川へ足を運んで釣り糸を垂らす。「徳島の自然に囲まれた時間は何よりも気持ちが落ち着きますね」と相好を崩した。

 あきやま・たかひろ 阿波市市場町出身。徳島文理高を経て東京薬科大卒。06年から漢方の勉強を始め、10年に国際中医師資格試験に合格。中国への留学後、15年に広州中医薬大学大学院修士課程修了。奈良市在住、36歳。彩り漢方薬局の問い合わせは<電0798(73)7251>。