阿南市選挙管理委員会は25日、夏の参院選の投票立会人に、新たに有権者となる18、19歳の市民を加えると発表した。投票所の仕事を通じて選挙に関心を持ってもらい、若者の選挙離れを防ぐのが目的で、18、19歳の新有権者を選任するのは県内で初めて。立会人を推薦する各地区の住民センター所長や支所長が具体的な人選を始めており、7月上旬に正式に選任する。

 立会人は各投票所とも3人で、市選管はそのうちの1人を18、19歳の新有権者にしたいと考えている。市内46カ所の投票所のうち、富岡地区や見能林地区など1500人以上の有権者がいる規模の大きい20カ所で選任し、高校生が選ばれる可能性もあるという。

 立会人を推薦する立場の住民センター所長ら22人のうち、管内に規模の大きな投票所がある16人に推薦を依頼しており、5月31日までに市選管に送られてくる立会人リストの中から、立会人を正式に決める。

 立会人は、投票者が他者の投票内容をのぞき見たり、投票用紙を持ち帰ったりしていないかなどを監視する。投票所の仕事を経験することで選挙に関心を持つ若者を一人でも増やし、投票率の向上につなげたいと選管事務局が発案した。

 阿南市以外の市町村では、18、19歳の新有権者を立会人に積極的に選任しようとする動きはない。佐那河内村選管は6月19日以降、立会人を村在住の18歳以上の有権者の中から公募する予定だが、実際に18、19歳の村民が立会人になるかどうかは分からないという。

 阿南市選管の富永優事務局長(59)は「こうした取り組みを機に、若者が選挙を身近に感じてくれたらうれしい」と話している。