徳島県と徳島大は、地域防災のリーダー・防災士の養成に向け、毎年夏に同大常三島キャンパスで開いている「地域防災推進員養成研修短期講座」にウェブ会議システムを導入し、美馬市と海陽町でも受講できるようにした。育児中の女性や交通手段のない受講希望者の要請を受け、システムを整備した。同種講座では全国初の試み。今年の講座は7月に行われる。
美馬会場は県西部県民局美馬庁舎、海陽会場は県南部防災館。両会場に設置する100インチ以上の大型スクリーンに、徳島会場の講義の模様が映し出され、受講生は講師と質疑応答もできる。
講座は5日間で、同大の防災研究者や県職員が災害予防、避難所運営などの専門知識を教える。受講者は最終日の試験に合格すれば、防災士の資格を得られる。
受講者数は、講座が同大でスタートした2013年が88人、14年115人、15年127人と増えている。受講の場の拡大を求める声が上がり、県と徳島大がウェブ会議システムの導入を検討。15年秋の試験運用を経て、NPO法人日本防災士機構に承認された。システムの整備費は県が支出した。
同大環境防災研究センター長の中野晋教授は「防災について学ぶ機会を少しでも多くの人に提供できればうれしい」と話している。
16年の講座は7月2、9、10、16、30の5日間で、いずれも午前9時半~午後5時。定員は徳島、美馬の両会場が約40人、海陽会場は約50人。最終日は徳島会場で講座と防災士試験を行う。
受講希望者は申込用紙に氏名などを記入し、郵送かファクスで県防災人材育成センターに申し込む。5月31日必着で先着順。
問い合わせは同センター<電088(683)2100>。