勝浦町三渓の与川内地区の住民でつくる「与川内ホタル村保存会」が、今年で活動15年目に入った。過疎の集落ににぎわいをもたらそうと、結成翌年から坂本川周辺で「与川内ホタルまつり」を開催。当初はわずかにホタルが飛ぶばかりだったが、地域一丸となった増殖活動や環境美化が奏功し、今では数万匹が飛び交う県内きっての名所になった。今年も6月3、4日にまつりを開く
保存会は与川内地区の大人から子どもまで、住民約300人全員が加盟する。毎年6月初めの金、土曜に、まつりを開催。勝浦町三渓の町農村環境改善センターから西へ約2キロの区間で幻想的な光の乱舞が楽しめ、期間中は県内外から1万人以上が訪れる。
押栗義雄会長(81)によると、保存会が発足したのは2002年6月。過疎化が進む地元の活性化につなげようと、翌年にはまつりをスタートさせた。ただこの時は、ホタルが数百匹しか飛ばず、「非常に寂しい思いをした」(押栗会長)という。
このため地域一丸となり、「ホタルの里」づくりを決意。毎年、ホタルの餌となる巻き貝カワニナを放流したり、坂本川のごみ拾いや草刈りを行ったりと手入れを続けてきた。
04年から3年間は、ホタルの養殖にも取り組んだ。成虫を交尾させて卵を確保。産卵からふ化まで成長を見守り、地元の横瀬小学校児童と一緒に幼虫を坂本川に放流した。
今シーズンは既に見頃を迎えており、6月上旬まで楽しめそう。まつりは3、4の両日夜に開かれ、あめ湯の接待のほか、たこ焼きや焼き鳥、弁当などが販売される。午後5時半からは、同町生
名の道の駅・ひなの里かつうらから、無料シャトルバスを運行する。
押栗会長は「山あいの清流でのホタル狩りは、癒やしにつながるのでは。会員の高齢化といった問題もあるが長く続けたい」と話している。