甘酒にスダチをブレンドした「すだちち」をPRする永野さん(左)と近藤さん(右)=神山町阿野の柳水庵

 神山町を行き交うお遍路さんの疲れを癒やそうと、地元産の「棚田米」で作った甘酒に、特産スダチをブレンドした「すだちち」が誕生した。甘酒に豊富なビタミンB1が、スダチに含まれるクエン酸の吸収を促進させ、疲労回復につながるという。町地域おこし協力隊でつくるNPO法人「里山みらい」と地元農家が協力し、2年がかりで完成させた。“ご当地ドリンク”として、今夏の販売を目指している。

 すだちちは、里山みらいの永野裕介さん(33)=千葉県出身=と、農業近藤完二さん(65)=同町下分=が開発。全国一の生産量を誇るスダチと、町内の大久保地区で取れた棚田米で作った甘酒を合わせた。

 乳白色でうっすら黄色く、とろっとした舌触りで味は甘い。ほんのり酸味があり、乳製品のヨーグルトのような後味もある。色や味からイメージされる「乳」とスダチを合わせ、ドリンク名を付けた。

 神山町には四国霊場12番札所・焼山寺があり、途中の山道は「遍路ころがし」と呼ばれる難所として有名。2014年、永野さんが疲れを癒やす「からだお接待」をテーマに、特製ドリンクを発案した。清涼飲料水加工のノウハウや許可を持つ近藤さんが協力し、研究を進めてきた。

 よりよい商品にするため、今月15日には同町阿野の遍路道にある休憩所・柳水庵で、ウオーキングイベント参加者と歩き遍路の計250人に100ミリリットルずつを試験的に配った。歩き遍路の森田勝さん(70)=奈良県=は「スダチの酸味が効いておいしかった。遍路にとって体の疲れは一番の関心事だし、地元ならではの接待はうれしい」と話した。

 永野さんは市販実現へ向け、「試飲した人の声を生かし、甘さやのどごしなどを調整して長く愛される一杯に仕上げたい」と話している。