国土交通省徳島河川国道事務所と那賀川河川事務所は30日、想定される最大規模の降雨により、徳島県内の直轄河川が氾濫した場合の浸水想定区域図などを両事務所のホームページで公表した。従来の想定に比べ浸水深や区域が広がっており、関係市町は避難場所の変更など水害ハザードマップの見直しが必要となる。
公表したのは吉野川水系の吉野川、旧吉野川、今切川と那賀川水系の那賀川、桑野川、派川那賀川の6河川。1年間に発生する確率が0・1%という想定最大規模の洪水で河川が氾濫した場合の各地の水深を、0・5メートル未満から20メートル以上まで6段階で示した。最大浸水深は吉野川が美馬市美馬町で約13メートル、那賀川は阿南市深瀬、吉井、楠根の3地区で約12メートル。
同規模の洪水により木造家屋の倒壊が想定される区域や、浸水が継続する時間を示した図も合わせて公表した。
大雨による災害が頻発していることを受けて昨年7月に改正された水防法では、想定最大規模の降雨を対象にした浸水想定区域図などの作成が河川管理者に義務付けられた。
国交省は2002年、吉野川と那賀川で1年間に発生する確率が1・0~0・7%の洪水による浸水想定区域図を作成している。今回の想定では水深や浸水区域が拡大しており、吉野川下流域では従来浸水区域に入っていなかった徳島市や鳴門市の一部で新たに浸水すると予想している。