高橋さんが設置した回転式の太陽光発電設備=吉野川市鴨島町知恵島

 耕作放棄地の増加を背景に、太陽光発電設備の設置を目的とした農地転用が徳島県内で広がっている。再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が始まった2012年度から4年間で、許可件数は1千件に迫る。太陽光パネルの下で栽培を続ける営農型の伸びが目立っており、「もうける農業」に生かそうという意欲的な生産者が増えている。

 県農業基盤課によると、太陽光発電設備を設置するための転用許可件数は12年度が28件(6・8ヘクタール)、13年度が160件(23・7ヘクタール)、14年度が379件(59・4ヘクタール)、15年度は最多の402件(56・3ヘクタール)。累計で969件となった。

 県農業会議によると、業者が農家から耕作放棄地を借りて太陽光発電事業を行い、売電収入の一定割合を賃料として農家に支払うケースが多い。

 13年に営農型が認められてからは、生産者や生産者グループが、農業所得を補おうと売電事業を行うケースが増加。営農型の転用許可は13年度6件、14年度10件、15年度23件と急増している。営農型の場合、転用許可が必要なのは施設の支柱部分だけのため、太陽光発電設備の面積は把握できていない。

 専業農家の高橋正弘さん(37)=吉野川市鴨島町知恵島=は、6アールの畑に支柱の高さが約3メートルの営農型発電設備を4月に設けた。この下で、東京や大阪の料理店向けにブラックベリーを栽培する計画だ。

 太陽光パネルは固定式が主流だが、この設備は角度を天候に応じて変えることができる回転式。ブラックベリーは高温多湿に弱いため、回転式パネルで必要以上の日射を遮ったり、雨よけにしたりするのに役立つ。

 住宅や太陽光発電設備の販売などを手掛けるハウスジャパン(倉敷市)から約1300万円で購入。売電収入は年170万~180万円を見込んでおり、7年ほどで元が取れる見込みだ。

 高橋さんは「売電収入に加え、台風や大雨の被害を防ぐこともでき、農業経営のプラスになる」と期待を寄せている。