寸劇のリハーサルに取り組む東條さん(右)ら=板野町那東の町民ふれあいプラザ

 徳島県板野町老人クラブ連合会女性部の4人がボランティア劇団を立ち上げ、消費者問題を寸劇で分かりやすく伝えている。敬老会で披露して被害防止に一役買っており、12月に沖縄県宜野湾市で開かれる第47回全国老人クラブ大会(全国老人クラブ連合会など主催)で発表する。
 
 劇団名は「さゆりーず」。メンバーは代表の東條佳代子さん(76)をはじめ、山本幸子さん(71)、川上ヤスヱさん(85)、久米絢さん(81)の4人。

 町消費生活相談所の出前講座で、高齢者らが詐欺被害に遭う寸劇を4人で披露したのがきっかけ。「自分たちにも何かできないか」と一念発起し、2017年6月に劇団を結成した。

 寸劇は、1人暮らしの高齢女性宅に買取センターから電話があり、訪れた男性が指輪やネックレスを強引に買い取って、領収書や名刺を渡さなかったという設定。阿波弁を使って親しみを持たせ、問題点を浮き彫りにしている。

 全国老人クラブ大会は、全国各地から1600人が参加する予定。介護予防活動や会員の確保など各クラブの日頃の活動を計4部会に分けて発表する。

 さゆりーずは町消費生活相談所に推薦され、全国老人クラブ連合会から参加依頼を受けた。第3部会の「老人クラブ高齢消費者被害防止キャンペーン」で寸劇を披露する。

 4人は、町民ふれあいプラザ(同町那東)などで練習を重ねている。東條さんは「同じ高齢者が寸劇をすると、身近な問題として捉えてもらえると思う。だまされないようにしっかり啓発したい」と話している。