イシマササユリの球根を植える新野高と伊島中の生徒たち=阿南市沖の伊島

 新野高校(阿南市)の生徒が、同市の離島・伊島に自生する希少植物イシマササユリの保護活動を始めて30年を迎えた。同校で培養した球根を毎年春と秋に島内に移植し、総数は約2万個に上る。自生数の減少傾向に歯止めはかかっていないが、同校によると、活動がなければ絶滅していたという。

 1986年、イシマササユリの減少に危機感を抱いた当時の伊島中学校の先生が、植物の栽培に詳しい新野高に種の培養を依頼。翌年から球根を植え付けている。島の灯台まで続く遊歩道約1・5キロは約200本が育ち「バイオロード」と呼ばれるようになっている。

 イシマササユリは毎年5月下旬から6月中旬にかけて咲く。ウイルスやカビ菌に弱く、日照条件が悪い場所では枯れてしまうため、育ちにくい。島の過疎化に伴って山の手入れができなくなったり、観光客が持ち帰ったりして減少傾向が続いているが、同校の活動が島内でのササユリの保全につながっている。

 同町町会長の神野範雄さん(67)=同市伊島町瀬戸=は「若者が活動してくれて大変ありがたい。島のシンボルを守るためにこれからも協力してほしい」と話す。

 2日は、新野高の生徒16人と伊島中の全生徒6人が参加し今年春の移植を行った。草を刈ったり、土を耕したりした後、約400個の球根を植え付けた。

 昨年11月に続いて移植した新野高3年の中村栞さん(17)は「植えた球根が花を咲かせていて感動した。毎年元気に育ってくれることを願っている」と話した。