記者会見する日弁連の中本会長(中)=徳島市の徳島グランヴィリオホテル

記者会見する日弁連の中本会長(中)=徳島市の徳島グランヴィリオホテル

 日弁連の中本和洋会長は3日、徳島市の徳島グランヴィリオホテルで開いた記者会見で、徳島県が誘致を提案している消費者庁の移転について「一部施設(機能)が徳島に来ることに反対はしていない」と述べ、部分的な移転は容認する考えを示した。

 日弁連は、消費者被害事故などへの緊急対応の必要性から「消費者庁が各省庁や国会と同じ地域にあることが不可欠」などとする移転反対の意見書を安倍晋三首相らに提出している。中本会長は「消費者庁全体を動かすとなると問題。情報が最も集まる場所(東京)に省の中心があることが望ましい」と指摘しながらも、国会対応や関係省庁との調整機能などを中央にとどめておくのなら、その他の機能の移転には反対しないとした。

 また中本会長は、7月に県庁などで予定されている消費者庁の試験業務の結果を踏まえ、日弁連で移転の是非を検証する可能性にも言及。「(試験業務の)情報を提供してくれれば検討したい」と述べ、柔軟に対応する構えを見せた。

 一方、徳島弁護士会は徳島移転の是非について態度を明らかにしていない。会見に同席した同会の島尾大次会長は「会で議論しており、結論は出ていない。社会的責任を踏まえて適正に対応したい」と述べるにとどめた。

 中本会長らは同日開かれた民事介入暴力対策徳島大会に出席するため来県した。