産業用機械部品製造の國光精機(徳島市)が、防災・防犯用に開発した笛の生産体制を強化する。古代の装身具勾玉の形をした小型・軽量の商品で、子どもやお年寄りでも大きな音を出せるのが特長。昨年5月の発売から約1年で予想を上回る1500個を販売し注文が増えている。
商品名は「マガピー」で、石田政良社長が開発した。本体は長さ38ミリ、幅20ミリ、厚さ7ミリ、重さ0・5グラム。水に濡れても音が出るように振動する玉を使わない仕組みを採用し、デザイン性も重視した。昨年の県発明工夫展(県発明協会主催)で最高賞の県知事賞を受賞した。
石田社長は以前から防犯用や災害用の笛があまり携帯されていないことが気になっていた。東日本大震災発生後、その思いを強くし、小型・軽量でデザイン性も高い商品の開発を本格的に始めた。
ネックレスとストラップのタイプがあり、色は7種類。1個1200円と高価だが、県内の自主防災組織や企業への販売が好調で、阿波銀行の融資2千万円を使って機械化を図るなど生産体制を強化する。
石田社長は「全国に普及し、災害時に多くの人の救助に役立てばうれしい」と話している。問い合わせは同社<電088(631)7317>。