「平成の大横綱」と称された大相撲の貴乃花親方はこのまま身を引いてしまうのか。きのう日本相撲協会に退職を届け出た

 まな弟子の貴ノ岩関に対する元横綱日馬富士の傷害事件を巡る騒動。内閣府への告発状の内容を協会役員から事実無根と認めるよう言われたと述べ、「真実を曲げることは、私にはできません」

 3月の春場所での無断欠勤や、弟子の貴公俊による暴行問題の監督責任。それを問われて「年寄」への2階級降格処分を受けたが「一兵卒としてやっていく」と出直しを誓っていたはずだ

 それから約半年、「苦渋の決断」というが、なぜ今退職なのか。驚いたのは好角家ばかりではあるまい。不信やわだかまりが膨らんだということか。貴乃花親方は言う。事実無根としなければ「親方を廃業せざるを得ないなどの有形、無形の要請を受け続けてきた」。本当なら、それを明らかにしてからでも遅くはないと思うが

 処分を受けた際に、同世代の親方はこう述べていた。「相撲には本当にいちずだった。俺は貴乃花を諦め切れない」。小欄も同じ気持ちだった

 「不惜身命」。横綱昇進時の口上で、土俵に命をも惜しまず、ささげる覚悟を示していた姿が浮かぶ。いちずさ、ひたむきさは時に、かたくなとも映る。角界から去ってしまうのは、それにしても「諦め切れない」。