ミットを構え岡田さん(右)に指導する川田会長=阿波市土成町吉田の川田ボクシングジム

 阿波市土成町吉田の県内唯一のプロボクシングジム「川田ボクシングジム」に、50人目のプロボクサーが誕生した。元プロボクサーの川田武司会長(69)=吉野川市鴨島町喜来=が、古里にジムを開設して40年近く。川田会長は「地方の片田舎から、まだ果たせていないチャンピオンを輩出したい」とさらに闘志を燃やしている。

 50人目のプロは岡田翔真さん(19)=阿波市市場町山野上、会社員=で、身長171センチのミドル級。本格的に練習を始めて1年足らずだが、初めて受験した5月15日のテストで合格した。「まずは1勝を目指したい。目標は西日本新人王」と岡田さん。川田会長も「パンチ力があり、度胸もあって期待できる」と太鼓判を押す。

 川田会長は1963年から10年間、プロボクサーとして活躍。42戦を戦い、最高で全日本ジュニアフェザー級8位にランクされた。

 「チャンピオンになる夢を若者にかなえてほしい」。73年に引退した後、そんな思いから、家業である製麺所の物置を使って高校生らに指導を始めた。木造平屋のジム(66平方メートル)を建て、78年、プロを養成できる日本プロボクシング協会の加盟ジムになった。四国で初めてだった。

 現在、ジムに所属しているプロは岡田さんを含めて2人。このほか、県内や香川県に住む小学生から40代までの男女30人が練習生として通う。トレーナーと共に、川田会長もミットを着けて直接指導。選手の個性を生かしながら、伝統の「ガードを固めて打たれないボクシング」を教え込んでいる。

 これまで教え子のランキング最高位は日本2位で、チャンピオンは出ていない。川田会長は「体力の衰えは感じるが、ボクシングへの情熱は冷めない。これからも挑戦は続く」と力強く語った。