徳島大大学院から博士号(工学)を授与された坂東課長=県庁

 徳島県とくしまゼロ作戦課の坂東淳課長(50)が、災害時の自治体の情報共有に関する研究で、徳島大大学院から博士号(工学)を授与された。ICT(情報通信技術)を活用したより良い情報収集・伝達の仕組みを考察し、研究で得た知見を防災行政に生かしている。事務系の県職員が在職中に博士号を取得するのは珍しい。

 博士論文は「情報システムを活用した地方自治体の災害対応における災害情報の共有・利活用のあり方」。

 長年県職員として防災行政に携わる中で、情報や通信技術の進歩にもかかわらず、防災行政に活用しきれていないと実感したのがきっかけだった。「行政と研究者の間をつなぎたい」と、12年10月に徳島大大学院先端技術科学教育部に入学。仕事をこなしながら論文を執筆し、今年3月に博士号を取得した。

 研究の成果は、実際の防災業務にも生かされている。多くの自治体が防災部門と医療部門でそれぞれ異なる情報共有システムを設けている点に着目し、各部門の情報を十分に生かすシステム統合を提案した。

 県ではこの提案に基づき、別々に運用していた災害時情報共有システムと県広域災害医療情報システムを統合。両部門の情報を一覧表にしたり、同一の地図上で表示できるようにした。

 坂東課長は「専門家の知見を行政に取り込み、社会に還元する。その懸け橋になりたい」と意欲を見せている。