講師から対面式で授業を受ける神山中学生=神山町の同校

講師から対面式で授業を受ける神山中学生=神山町の同校

 神山町教委はインターネットのテレビ会議システムを活用した中学生向けの放課後塾「双方向遠隔ライブ授業」を打ち切り、塾講師による対面式の「神山地域未来塾」を始めた。町内の2中学校と東京を結んで画面上で行うライブ授業は、講師からの一方通行になりがちで参加者が減っていた。

 ライブ授業は、離島などの学習支援に取り組む民間業者に委託して、14年度に開講した。無料で参加は自由。東京大生が講師を務め、14年度は1、2月に、15年度は通年でそれぞれ週2回、数学と英語を教えた。

 14年度は神山、神山東両中学校の3年生24人、15年度は2校の2、3年生50人を対象に実施。当初はほぼ全生徒が参加していたが、徐々に減り、神山中は3人、神山東中は0人のときもあった。画面上でのやりとりのため、個々の習熟度に応じた指導が十分でなかった上、機材トラブルも多く、生徒に敬遠されたようだ。

 未来塾は、四国進学会(藍住町)の講師が神山中(4月に神山東と統合)で指導する。科目は数学と英語で、3年生は8月まで週1回(1回は60分授業2コマ)、9月から週2回行う。2年生は9月から週1回開く。講師は同時に3人が務める手厚さが特徴。

 初日の2日は3年生全20人中、18人が参加し、評判は上々だった。高橋博義教育長は「個々の学力のレベルに応じた指導を充実させる」と話した。

 塾は、町内に民間の塾が少ないため、生徒の学習支援や徳島市内に送迎する保護者の負担軽減を目的に始めた。