防災学習に力を入れている徳島市の津田中学校の取り組みが、来年度から教科化される中学校道徳の教科書で紹介される。出前授業や意識調査などを通じて地域住民の防災意識を啓発する活動が、社会参画の一例として取り上げられている。
掲載されるのは光村図書出版(東京)の2年生向けの教科書「中学道徳 きみがいちばんひかるとき」。「地域の一員として」と題したコラムで津田中の取り組みを見開きで紹介している。
南海地震に備え、2005年から防災学習を始めた経緯をはじめ、「学校の中だけでは意味がない」という生徒の提案で幼稚園や小学校での出前授業、住民への意識調査、住民の意識を高めるための避難マップや大型看板作りに取り組んできた様子が記されている。
光村図書では東日本大震災後の12年、防災をテーマにした広報誌で津田中の取り組みを紹介していた。道徳の教科化に当たって、中学生に社会参画を学んでもらう事例に適していると評価した。
県内では来年度、同社の教科書を採択した自治体はない。
三好康宏校長は「地域が一体となった活動が紹介されるのは光栄。今回のことを励みに、地域や保護者との絆を強めながら防災学習を核にさまざまな行事にも取り組みたい」と話した。