[上]水田を調査し、関係者と話すガン・リ教授=石井町石井 [下]採取したカイエビ

 石井町石井の気延山周辺の水田に多く生息する甲殻類のカイエビを調査するため、中国の政府系研究機関・中国科学院南京地質古生物研究所のガン・リ教授が10日、同町を訪れた。カイエビは「生きた化石」とも呼ばれるが、きれいな水にしかすめないため、環境汚染で日本、中国ともに生息域が減少。両国に生息する個体の違いなどをまとめるのが目的で、16日まで滞在して生息状況や水田管理方法などを調べる。

 カイエビは体長1センチほどで、ジュラ紀(2億年前~1億4千万年前)より前から生息している。ガン教授はカイエビ研究を専門としており、十数年来交流のある香西武鳴門教育大副学長(64)に、県内でも特に多くの個体が見られる同地区を紹介された。

 10日は、香西副学長ら3人と共に松本光正さん(68)=石井=の水田などを回り、観察用の個体を採取したり、水田の管理方法を聞いたりした。来週からは南京地質古生物研究所長も来町する。標本も中国に持ち帰り、報告をまとめるという。

 ガン教授は、中国では1970年代以降、環境汚染で水田ではカイエビが見られなくなったとし、石井町について「素晴らしい環境だ。水がよほどきれいなのだろう。地元の人は誇りにしてほしい」と話した。

 松本さんは「カイエビという生き物は全く知らなかった。地元にそんな貴重な物がたくさんいたとは」と驚いていた。