小松島市にお目見えした西日本初の「命山」。大津波発生時に住民の避難施設となる=同市和田島町松田新田

 小松島市が、和田島町松田新田に整備していた盛り土式の津波避難施設(通称・命山)がほぼ完成した。スロープや手すり、街路灯を備え、頂上広場(約460平方メートル)に約920人を収容できる。西日本での完成第1号で、8月1日から一般開放される。市は10日開会の市議会6月定例会議に、施設の設置・管理に関する条例を提案した。

 住宅団地・小松島ニュータウン内の公園の一角に整備した。高さ5・5メートルで、1辺46メートルの正方形の形状をしており、使用した盛り土の量は約7千立方メートル。のり面には階段とスロープがあり、頂上広場とスロープにニュータウンの全住民約2100人が避難できる。

 セメントを混ぜた改良土で山全体を覆い、津波による土の流失を防ぐ工夫を凝らした。液状化対策として、長さ約17メートルのコンクリート柱を打ち込み地盤改良した。建設費は約1億5千万円で、国の補助金を受けている。

 同地区は紀伊水道に面しており、県の津波想定では南海トラフ巨大地震発生時、最大3・4メートル浸水するとされる。近くに避難できる高台がなく、津波避難所の小学校には徒歩で15分以上かかるため、住民から高台整備の要望が出ていた。

 小松島ニュータウン自治会自主防災会の伊藤三男会長(72)は「防災のほか、健康づくりの場としても有効活用したい」と話している。

 命山は、東日本大震災を教訓とした人工高台。国や県の河川工事で出た残土を活用するなどして、静岡県を中心に整備が進んでいる。