今年2月に死去した俳優大杉漣さん(小松島市出身)の唯一のプロデュース作で、最後の主演映画になった「教誨(きょうかい)師」の完成披露試写会がこのほど、東京都内で開かれ、俳優の光石研さんらが舞台あいさつした。
大杉さんが演じたのは、月に2回拘置所を訪れ、一癖も二癖もある6人の死刑囚と面会するプロテスタントの牧師、佐伯保。佐伯と死刑囚の会話劇を通じ、死刑囚たちが心安らかに死ねるよう導くのは正しいことなのか、苦悩や葛藤を描く。
大杉さんが亡くなる直前まで出演していたテレビドラマ「バイプレイヤーズ」で共演していた光石さんは、気のいいやくざの組長役で出演する。
光石さんは「ここに来る前にお墓参りして、完成披露ですと報告してきました。今着ているジャケットは大杉さんに頂いた物です」と明かし「この映画には大杉さんの魂や気持ち、顔も体も全てが写っています。どうぞ皆さん、俳優大杉漣を浴びてやってください」と呼び掛けた。
佐向大監督は「お昼は弁当じゃなく、ケータリングで温かい物を食べようよと言ってくれたり、時には現場でサラダも作ってくれたりした。プロデューサーという肩書以上に、この映画を支えてくれた」と、大杉さんとの思い出を披露した。
他に玉置玲央さん、烏丸せつこさん、五頭岳夫さん、小川登さん、古舘寛治さんが登壇した。
◇
映画は10月6日に全国で公開され、県内ではイオンシネマ徳島(徳島市)で上映される。